ただの腰痛なのか、それとももっと悪い腰痛なのか、この判断をするのに最も早いのが、足に症状があるかです。足の指や足裏がしびれるといった症状を放置していると、ある時に手術が必要なくらい悪化をすることも非常に多いです。
腰のヘルニアは基本的に若い人におきる傷病であり、60歳以上の方でもヘルニアと診断されたというお話も聞きますが、高齢になれば椎間板が弾力性を失うので、ヘルニア(飛び出し)よりも狭くなる腰椎症という判断になります。ですので若い方はヘルニア、高齢者は腰椎症が正しい表現となります。
狭くなった椎間板は元には戻りません。椎間板というのはコラーゲンが水を含むことで弾力性を保っています。そうお肌と同じなので、顔のお肌の弾力性が戻らないのと一緒で若返らせることはできません。ですので痛みを取り、筋力をつける事で椎間板の老化を防ぐことが重要になります。また椎間板が狭くなり腰椎に影響がある場合は、レントゲン上で徐々に椎間板の上下で白く映るようになります。これは骨棘と呼ばれるもので、放置しておくと腰椎圧迫骨折に進みます。何もしていないのに骨折する「いつの間にか骨折」というものがこれに当たります。
【脊柱管除圧術】圧迫されている背骨の一部や、背骨にある肥厚した靭帯を切除して脊柱管を広げる方法と、狭窄が発生している部分の骨を削る方法があります。【脊柱管固定術】背骨にネジを入れて動かなくすることで神経の圧迫が起こらないようにする方法です。
仙腸関節に異常があるかは、骨盤の動きが正常かどうか見極めなくてはいけません。足を持ち上げたり、前屈をした際に骨盤が正常な動きをしているか、痛みが腰ではなく骨盤の上の骨に痛みがあるか丁寧にチェックしていきます。
骨盤の歪みが原因で腰痛がおきる、もしくは腰痛がおきることで骨盤が歪む場合もあります。腰痛の原因はさまざまですが、股関節や頸椎に問題があっても、腰痛が出現する場合もあり特定することは容易ではありません。単純に考えるならば、腰部に強く無理がかかっている状態であるという問題を解決しなければいけません。