鍼灸の針と聞くと、痛い、怖いといったマイナスイメージを持たれる方もいらっしゃいますよね?
実は針自体は、髪の毛ほどの細さしかありません。
注射器の針とは全くの別物になります。
ですから針と聞いて病院の注射をイメージされる方には、是非この記事を読んでいただいて、先入観を取り除いて欲しいと思います。
鍼灸は血流改善による効果が高い
痛めている部分をさすったり、腰が痛いとマッサージをするなど筋肉をほぐしてあげることによって、痛みが軽減した感覚を体験されたことはありませんか?
鍼灸はその感覚を応用したものになります。
ただマッサージと大きく違うのは体内に刺入することができるということ。
つまり表面だけでなく深部からのアプローチが可能になります。
また体内に鍼をいれることによって、鎮痛物質である内因性オピオイドというホルモンが産生されます。
このホルモンは痛み信号を脳へ伝える前に遮断してくれるので痛みが軽減します。
筋肉に直接刺激することができるので、コリがほぐれ血流が良くなり、詰まっていた疲労物質や発痛物質が流れ痛みを軽減してくれます。
そして自律神経にも作用するためストレスから痛みが出ている方、内臓疲労の方に対しても痛みを緩和することができる効果もあります。
鍼灸の針が痛いってどのくらい?
鍼は体内に存在する筋肉や神経に刺激を入れ治療を行っていきます。
そのために当然体を守っている皮膚を破らなければなりません。
どれだけ針が上手な方でも皮膚を破る際、また毛穴に入った場合は、チクっと痛みを感じることがあります。
鍼灸における針の「ひびき」とは
また疲労が溜まっている部分に鍼を刺入したとき、鍼独特のズーンと重だるいような感覚があります。
これを[ひびき]と呼んでいます。
鍼治療においてこの感覚はとても必要な感覚ですが
好みに個人差があり、ひびきを望まれる方、ひびきを痛みと捉える方など捉え方は様々です。
マッサージなどの表面のアプローチだけではなく、鍼灸の針が深部の筋肉へとアプローチして[根本治療]を行なっていく上で、ひびきは切り離せないものになります。
ですが、ひびきがどうしても苦手な方もいらっしゃいます。
その場合は様々な治療内容を組み合わせ、鍼以外の治療法からアプローチさせていただきますのでお気軽にご相談ください。
鍼灸は慢性的な腰痛、肩こり解消のきっかけになる
日本人の多くが悩まされている慢性腰痛と肩こり。
この腰痛、肩こりにも鍼灸はとても効果があります。
腰痛や肩こりの原因というと、姿勢不良による筋肉の疲労や、環境などのストレスなどが多く挙げられます。
鍼は刺入して、細胞を傷つけることにより、血流が流れ筋肉がほぐれることで肩こり解消へと導きます。
また冒頭でも話した通り、ストレスと密接に関わる自律神経にも作用してくれますので、リラックスしていただくことで副交感神経が働き、緊張がほぐれ、元の健康的な体へ導いてくれるのです。
鍼灸って副作用はないの?
また副作用ですが、全くないというわけではありません。
一部の方ですが、治療によって血流が良くなり、溜まっていた疲労物質が流れることにより、倦怠感やふらつき、ほてりなど生じることがあります。
これは治療を行う上での瞑眩反応(めいけんはんのう。好転反応の1つ)として現れるものです。
鍼灸のWHO(世界保健機関)での適応とは?
またWHO(世界保健機関)での適応症例として、肩こり腰痛の他にも、様々な鍼の適応疾患もご紹介しますね。
神経系疾患の適応例
頭痛、不眠、痙攣、めまい、神経症、神経痛、神経麻痺、ヒステリー、ノイローゼ、脳卒中後遺症、自律神経失調症
運動器系疾患の適応例
腰痛、関節炎、五十肩、腱鞘炎、リウマチ、頚肩腕症候群、頚椎捻挫後遺症、外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患の適応例
動悸、息切れ、心臓神経症、動脈硬化症、高血圧低血圧症
呼吸器系疾患の適応例
喘息、気管支炎、風邪および予防
消化器系疾患の適応例
痔疾、肝炎、胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)、胆嚢炎、肝機能障害、胃十二指腸潰瘍
代謝内分秘系疾患の適応例
痛風・脚気・貧血・糖尿病・バセドウ氏病
生殖・泌尿器系疾患の適応例
尿閉・腎炎・陰萎・膀胱炎・尿道炎・性機能障害・前立腺肥大
婦人科系疾患の適応例
不妊・血の道・冷え性・乳腺炎・白帯下・月経不順・生理痛更年期障害
耳鼻咽喉科系疾患
鼻炎・耳鳴・難聴・中耳炎・鼻出血・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎・メニエル氏病
眼科系疾患の適応例
疲れ目・かすみ目・眼精疲労・仮性近視・結膜炎・ものもらい
小児科疾患の適応例
夜尿症・耳下腺炎・小児喘息・小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・アレルギー性湿疹・虚弱体質の改善
なども認められております。
自然治癒力を利用する鍼灸治療
今回は鍼灸の効果についてご紹介させて頂きました。
鍼灸というものはご自身の自然治癒力を利用し、治すきっかけを与えてあげることによって、様々な痛みに適応することができます。
なかなか治らない不調を感じられている方は、是非一度鍼灸を試してみてくださいね。
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